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(2)開発・設計関連情報の整備
舶用工業の外部交換情報の中で最も頻繁にやり取りされているものが設計関連情報であり、この情報を外部と交換することを前提として、設計関連情報データベース(DB)を構築・整備する必要がある。この設計関連情報の管理システムは、PDM(Product Data Management)システムと呼ばれ、米国を中心に世界的な広がりを見せ、日本の製造業においても導入が進んでいる。
?PDMシステムとは
PDMシステムは、CADの図面データだけでなく、仕様書や部品表、各種の属性データ、技術データなど製品開発に関連するあらゆる情報をデータベースで管理するシステムである。主に設計作業の効率化と設計データの社内共有化、設計付帯業務(過去の設計図面の検索や部品表の作成、各種レポート類の作成)の効率化を図るための管理システムである。
?PDMシステムの主な機能
PDMシステムには各種の機能があるが、その主な機能としては以下のようなものがある。
・設計用部品情報のDB化
従来、ホスト・コンピュータで管理されていた部品情報は、製造あるいは購買業務をサポートするもので、部品の仕様情報など製品の開発・設計用のDBとしてはデータの保守などの点で設計開発用として使うことができなかったが、PDMでこれが可能になった。
・部品情報の検索
CADの回路シンボルや仕様などから、該当する部品を検索する機能。
・製品構成管理
部品の親子関係を管理するもので、部品表を作成したり、親部品から子部品、子部品から親部品の検索が可能で、製品構成のツリー表示機能を持つ。CADデータの取込による部品表の半自動作成や、工程別部品表の作成などを行う。
・ファイル管理
部品図などの図面データや仕様書などの文書データ、表計算データなどを管理し、さまざまな条件で検索する機能。
・プロセスフロー管理
検図や承認プロセスを電子的に行う機能。

 

 

 

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